
空オレ3展示SSその① さとる&ゆーじシリーズ「初恋」(先生とゆーじ)
「初恋は実らない、って……ゆーじ知ってた!?」
「あー、聞いたことあんね」
「知ってたの!?」
「ん。はいこれ。手抜きのレンチンミルクティーだけど、先生仕様の砂糖たっぷり」
「わーい、ありがとう。レンチンでもゆーじの愛情たっぷりだから十分おいしーよねえ」
「手軽だし、すっげえ時短。先生が茶葉でティーポットじゃないとダメとか言わん人で良かった」
「ティーバッグでもいれかた次第だよ……って、ちがーう!! いや、ミルクティーがゆーじの愛情たっぷりでおいしいのは違わないけど、初恋の話!!」
「あー……あんま気がすすまないんだけど、せんせその話したいん?」
「だって僕ゆーじが初恋なんだよ!! 実らないなんて大問題じゃない!?」
「一般論でしょ? ちっさい頃の初恋からそのまま大人になってもつき合ってる人があまりいないってだけで、ゼロじゃないんだろうし。……って、先生今、俺が初恋って言った!?」
「言った。僕ゆーじが初恋」
「……マジで?」
「マジで」
「えっ!? だって先生モテまくってセフレよりどりみどりだったって」
「GLGだからね! モテてたのは否定しないけど、過去だよ過去。今の僕はゆーじひとすじだから!! それに、見た目と血筋とお金目当てに向こうから寄ってくるだけで、僕は別に恋してはいなかったから」
「不誠実……ってわけでもないのかな? 相手がそんなんだったら。でもマジかー……」
「正真正銘僕の初恋はゆーじでぇーっす!! 僕のハジメテを奪った責任とってね」
「責任はいくらでもとっちゃるけどさ……」
「ゆーじ男らしい! 格好いい!! 好き!!!」
「へへ。俺も好き!」
「僕はもっと好き!!」
「そこ張り合うとこなん? 先生ほんと俺のこと好きだね」
「だーい好き!!……なのに、実らない可能性が少しでもあるってどういうことなの!?」
「えーと、大丈夫なんじゃないかな……と思うヨ」
「……そう言えば。当然だし必然だし自明の理だしもし万が一違ったらって想像しただけで茈ぶっ放したくなるからわざわざ確認しなかったけど。もしやよもやまさか、ゆーじは僕が初恋じゃないとか言わないよねぇ?」
「……」
「ゆーじぃ?」
「……ええと、そうだ。良い知らせと悪い知らせがあったら、先生はどっちが先に知りたいタイプ?」
「良い方」
「即答かよ。んーと……俺は初恋じゃないから、初恋同士じゃないってことは実る可能性がその分高くなるんじゃねーの? とか思っちゃったり……ダメ?」
「ぜ ん っ、ぜ ん、良 い 知 ら せ じゃ、ないじゃん。悪い知らせじゃん!!」
「せんせー、呪力押さえて頼むから!」
「ねえ相手誰? 何もしないから教えて」
「ぜってー嘘じゃん。呪力練りながら言っても説得力全然ないよ!?」
「無理無理無理無理無理無理無理無理無理」
「先生壊れないで!!」
「ゆーじの初恋がどこの馬の骨だかしれない奴に奪われたなんて無理だから。タイムスリップすればいい? 学生時代に遊び半分で術式組み立てようとしたことあるけど、あれの出番かな?」
「そんなSF映画みたいな……って、冗談だよな? いや、目がマジなんだけど冗談だよな!?」
「僕がゆーじの初恋の人になれる可能性はゼロじゃない。賭けてみる価値はある」
「ヤメロってば。頼むからさ」
「だって無理……」
「しょーがねぇじゃん。先生と出会う前のことは。もし先に先生と出会ってたら、俺だって初恋は先生だったと思う」
「ゆーじ……」
「俺の初恋が先生じゃなくてごめん。でも絶対に、俺が先生の初恋実らせちゃるから」
「ゆーじぃー!! 大好き!!」
「俺も大好き!」
「ふふ。ゆーじは、僕と同じだけ大好きを返してくれるんだねぇ」
「俺が大大好きとか言ったら、先生が大大大好きって返すに決まってっからな。キリねーもん」
「読まれちゃってる~」
「だって先生いつもそうだからさ」
「僕はゆーじへの好きも最強だからね!」
「俺も最強の好きに追いつけるようにがんばるからさ、先生不安にならんでよ」
「うっ、僕の彼氏が格好よすぎる……」
「格好いいのは先生だろ」
「まあ、最強のGLGだからね。……え? ちょっと待って。さっき、ゆーじはこれが良い知らせって言ったよね? なら悪い知らせって何なの? コワイんだけど」
「あ」
↓下↓ に続きます。
①から続いていますので、①からお読み下さい
「ねえ、ものすっっっごく悪い予感するんだけど、何? 悪い知らせって」
「……聞かないほーがいいんじゃねえかなあ……」
「ここまできて、聞かないですませると思う?」
「思わねぇけどさー……」
「ゆーじ」
「あー……実は」
「実は?」
「セカンドラブも先生じゃない人。後からバレた方が面倒臭いことになりそうだから、開示しておきますです、はい」
「は?」
「コワイコワイコワイから! 先生! 部屋ん中で赫と蒼はヤメようよ!」
「え? 僕はゆーじの三人目のオトコなの?」
「先生以外は女の子……ってゆーか、保育園とか小学校低学年とかそんくらいの時だから。もう時効だから」
「はあああああ!? 時効なんてありませんけど!! ゆーじ保育園と小学校どこに通ってたの!?」
「だーーーっ、調べようとするなって! 伊地知さんに電話しようとすんなってば、こら」
「ファーストもセカンドもどこかの雌に盗られたなんて……」
「オレより先生の過去のセフレ人数の方が多いだろ」
「カラダだけだもん! 心は誰にも渡してないもん!!」
「俺だって誰にも渡してねーけど? コクハクもしてねー、ただの憧れみてーなやつだったし」
「……うっ。でも好……き、だったんでしょ……? 僕以外のヤツを」
「だから、簡単に諦められる程度だったんだってば。初めてコクハクまでして、ぜってー諦めないって思ったのは先生だけだよ」
「僕も! ちょっと柄にもなく教師と生徒だってこと気にして、僕から先には言えなかったけど、絶対に諦める気はなかったよ」
「へへ。俺、諦めなくて良かった。初めてコクハクして両思いになれるってすごくね?」
「うん。すごく幸せ。……だからこそ、この幸せに影を落とす奴らが我慢できないんだよねぇ」
「もー、先生嫉妬深すぎん?」
「そうだよ。僕嫉妬深いよ。ゆーじ限定で」
「……執着されんの、ちょっと嬉しいって思っちゃうからダメなんだよなあああ」
「ねえゆーじ、ちょっと記憶喪失になってみない?」
「物理的に相手を抹消するの諦めてくれたんなら嬉しいけど、まさか代わりに俺の記憶消す気?」
「タイムスリップでそもそも無かったことにするのも捨てがたいんだけど、どっちがいい?」
「どっちもやだよ。タイムスリップは論外だし、記憶消したら先生との大切な思い出も忘れちゃうかもだろ。そんな都合良く初恋の記憶だけ消せんの?」
「うー、でもでもイヤなんだもん……」
「俺は初恋じゃないけど、先生が最後の恋だからさ。それで勘弁してよ」
「うっ、やっぱり僕の彼氏が格好良すぎる~!! ずるい!! 勘弁したくないのに……」
「先生もいろいろずるいからおあいこだろ」
「……んじゃあ、ものすごくヤだけど、ゆーじの過去の浮気は僕の過去のアヤマチと相殺してあげる。ほんとはすごーーーくヤだけど」
「浮気じゃねーし、全然釣り合いもとれてねー気がすんだけど。まあいっか、先生がいいなら」
「僕の初恋は、卒業したら結婚だから絶対に実るんだもんね、ゆーじ」
「コクハクが俺からだったから、プロポーズは先生に譲る約束だもんな」
「あー、早くゆーじ卒業したらいいのに」
この2人のSSと、呪専五×ゆーじのSSは支部にもあります。よろしかったらそちらもどうぞ。
https://marshmallow-qa.com/yunari999
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