

■ Q1.
本当に奥さんのカサンドラ症候群が治ったの?
□ A1.
はい、治りました。
カサンドラ症候群とは、夫など身近にいるASD等の人とのかかわりの中で、頭痛や鬱など心身の不調が表れる状態のことです。
妻は現在、心身ともに健康で、「せっかく幸せになったので一日でも長く生きていたい」と言っています。
ただ、幸せになったと言っても、夫(僕)によるストレスがゼロになったわけではありません。
ときには僕のせいでイライラしたり怒ったりすることもあるけれど病気になるほどの頻度や程度ではなく、全体としては普通の夫婦でも発生する範囲に収まるくらいになったという感じでしょうか。
■ Q2.
どうして奥さんのカサンドラ症候群が治ったの?
□ A2.
僕が自分自身のASDを自覚して改善したからです。
妻がカサンドラ症候群になってしまったことがきっかけでした。
大切な家族がものすごく苦しんでいることを知り、これはとても重大なことだと感じて、なんとかしなければと思うようになりました。
改善後は病院に行っていませんが、いま行ったとしてもASDとは診断されないでしょう。
診断を以てASDとするなら、ASDが治ったと言えるかもしれません。
ただ、ASDになりやすい生まれつきのもの(遺伝子とか?)が消えたわけではありません。
ASDになりやすいけれど、なるべくASDにならないようにしようと気をつけている状態です。
■ Q3.
あなたはどうやってASDを改善したの?
□ A3.
とりあえずASDやカサンドラ症候群に関する本を読んだりネットで調べたりしました。
ただし、これだけで現実の生活において実際に活用できるレベルに達するわけではありません。
より効果的だったのは、妻やその他の定型発達の人たちの話し方や立ち居振舞いなどに触れたことです。
座学で外国語を話せるようになるのは難しくても、外国で漫然とではなく意識して人と交流しながら暮らせば自然と話せるようになりますよね。
身近に健常者の人がいない場合は、現代の人間同士の関わりが描かれているテレビドラマや映画などでもOKです。海外の子供向けアニメや人形劇なども面白いし役に立ちました。
ASDの自分と普通の人との違いを少しずつ知っていき、できそうなことは真似してみたりしました。
そうすると妻も喜んでくれたりすることもあり、それを見た僕も嬉しくなってまた続けました。
しばらくやっていると、だんだんと無理せずできるようになって、妻もまた笑顔が増える…みたいな感じです。
■ Q4.
うちの旦那はASDの自覚がない。自覚させるには?
□ A4.
周囲が無理やり自覚させよう、いきなり受診させようとしても失敗しやすいです。
家庭や職場など日常でコミュニケーションに困る状態が長く続くと、本人だってその苦しい状態は無くしたいので、なんとかしたいと思うようになります。
本人だけは困っていないという場合でも、周りの人が深く悲しんだり激しく怒ったり、場合によっては反撃に注意しながら体罰的に実力を行使したりすると、本人もだんだん困り始めます。
そこから自分で問題の原因を調べてASD自覚に行き着く場合もあります。
自分で動き出さず、ただ困り続けているだけだったら、本人が信頼している相手(親友や家族など)が、頭ごなしにではなく共感しながら、ASDの話題をそれとなく少しずつ出していきます。
本人が興味を示さない場合、それ以上は踏み込まず、別の機会を窺います。
本人が興味を持って質問をしてきたら答え、わからないときは一緒に調べたり考えたりして、寄り添いながら共に知っていくという形にします。
今まさに迷惑をかけられている人からすると、一刻でも早く自覚・改善させたいところだとは思いますが、焦るとかえって長引いてしまうかもしれません。
■ Q5.
なんでこっちがそこまでしてあげないといけないの?
□ A5.
一部では「ASDは治らない」と誤解されているくらい、改善するのはそもそも難しいものですから、「改善させられないのは私の努力不足だ」などのようには思わないでくださいね。
いくらがんばっても改善されなくて、我慢の限界もとうの昔に越えている――
無理そうだったら諦めて離れるなどの選択肢も視野に入れていいと思います。
いきなり離婚とまではいかなくても、別居や帰省するなどでも。
踏ん切りはつかないけれど、ずっとこのままというのもしんどい、というときは別の楽しいことをするとか、同じ苦労を抱える人たちと交流するなどして、長い目で見て大きく構えることができたら少しは気が紛れるかもしれませんが・・・
<ご注意> このアカウントには、ASD当事者の発言(個人の感想)が多く含まれています。
●カサンドラ症候群の症状がつらすぎるとき
→直接かかわりのないASD者を見るだけでも嫌なことを思い出して苦しい気持ちになってしまうときは、ミュートやブロック、目を細めてはっきり見えないようにしてスクロールしてしまうなどして、なるべくこのアカウントから距離をとる(元気になったらまたぜひ見にきていただけたら嬉しいです)。
●カサンドラ症候群だけど少しだけマシなとき
→直接かかわりのないASD者だったらかろうじて気分が悪くならないということであれば、このアカウントを脱カサンドラの一つの事例として観察し、そこから引き出した知見を自分や家族に応用できないかどうか考えてみる。または、暇つぶし的になんとなく眺めてみる(あるいは、サンドバッグにしてストレス発散とか)。
※ ASDではない方だったら、こんなこと、いちいち言われなくてもわかるとは思います。でも、カサンドラ症候群になってしまって心や体の調子が良くないと、当たり前のことでも頭が回りづらくなることもあると思いますので、あえて説明を書いておきました。
(カサンドラ症候群ではない方でも、もしご興味がおありでしたら、どうぞお気軽にフォローしてくださいませ。引用やリポスト、リプライなども、ご批判・お叱り等含めどんな内容であれ嬉しいです。ASD夫側の方、ASDで結婚を望む方、ASDのお子様をお持ちの方、カサンドラ症候群から立ち直った方、困っている男性や女性を支援したい方、その他の方など、どなたでも心より歓迎いたします)
●ASD当事者で、自分のASDを改善したい方
→あなたと同じASD当事者で、改善したいと思って少しずつ改善することができた、そして現在も改善活動中の僕の言動を見て、あなた自身のASD改善に役立ててください。
一緒に改善していきましょう。
最初のうちは、ASDがみんなから迷惑がられている事実を受け入れるのは抵抗があると思います。あまりにも苦しいときは改善はお休みして、少し心に余裕が出てきたら、また続きから始めれば大丈夫です。
改善というのは、完ぺきな人間になることではありません。ダメなところがたくさんある僕なんかでも十分に自分も家族も幸せになれます。安心してください。
あなたのASDがほんの少し改善されただけでも、あなたにとって大切な家族からの反応は見違えて良いものになります。今までは、「厳しくあたられている」と感じていたかもしれませんが、あなたがちょっと変わるだけで、周りの人は勝手に優しくしてくれるようになります。
あなたの本当に望んでいる幸せが、夢や想像ではなく現実の世界に形をとって現れてくるようになります。これは嘘でも気休めでもなく単なる本当のことです。
●ASD当事者で、自分のASDを改善する気はなく、むしろ「周りが悪い」と思っている方
→そこまで追い詰められてしまったあなたの境遇はとてもお気の毒だと思います。残念ながら僕がお役に立てることはないかもしれません。むしろ、あなたの考えとは異なるポストで不快な思いをさせてしまうことさえあり得ます。ただ、僕を批判・嘲笑することで気が晴れるようなことがもしあれば、一線を越えない範囲でどうぞお好きなように活用して頂ければ幸いです。いつかお元気になられますよう心よりお祈り申しあげております。