0.目次
1.ごあいさつ
2.開催日時・場所
3.YouTube Liveのリンク
4.湖東記念病院事件とは
5.用語説明
6.えん罪救済ボランティアとは
7.Twitterのリンク
この度は本シンポジウムに興味を持ってくださりありがとうございます。
本シンポジウムでは、えん罪事件を防ぐために、実際のえん罪事件である「湖東記念病院事件」の当事者や弁護にの方にお話を伺い日本の取り調べ制度への改善策を検討します。
このシンポジウムで取り上げている「湖東記念病院事件」について、目次にある「4.湖東記念病院事件について」にて、簡単に事件の概要をまとめております。そちらにも目を通していただけますと、より本シンポジウムについて理解を深めることができると存じます。
このシンポジウムを通して、日本の取り調べ制度について知り、えん罪事件についての理解が深まれば幸いです。
私達は、ボランティアの活動を通してえん罪被害に苦しんでいる方が多くいることを学びました。このシンポジウムによって、皆様の取調べ問題への関心が高まり、弁護人立会いの法制度化に向けた議論が活性化することを切に願います。
3月29日(火)19:00~21:00
YouTube Live にて
●2003年5月22日 、滋賀県の湖東記念病院で植物状態にあった患者が亡くなった。当初警察は、院内職員が人工呼吸器のチューブが外れていた場合に鳴る警告アラームに気付かなかったという、業務上過失致死という線で捜査を始めた。
●関係者への取調べが続く中で、看護助手の西山美香さん(当時23歳)が「自分が人工呼吸器チューブを外した」と自白をしたために殺人事件に切り替えられた。しかし、西山さんのこの自白は、取調べ中の刑事の強い叱責や冷たい態度に耐えられずに行った、嘘の自白であった。西山さんは迎合性(*1)が高く、さらに取調べ担当の刑事の優しい態度に恋心を抱いてしまい、刑事はそれを利用して西山さんが警察にとって都合の良い供述をするように仕向けた。
●2005年11月29日、第一審の大津地方裁判所は、西山さんに懲役12年を言い渡した。
●その後の再審請求(やり直しの裁判)で、弁護団は西山さんの自白が嘘であったこと、患者の死亡原因が当初想定されたもの以外であることを新証拠で立証。大阪高裁は2017年12月20日に再審開始を決定。2020年3月31日に大津地裁で無罪判決が言い渡され、西山さんの無罪が確定した 。
*1「迎合性」:すぐに得られる何らかの利益のために相手の主張、要求、指示に従う傾向のこと。
・冤罪(えんざい)
罪を犯しておらず、無実なのに犯罪者として逮捕されてしまうなど、不利益に扱われてしまうことです。日本でもえん罪事件が多数発覚し、取り調べのあり方などが問題となっています。
・弁護人立会権
取調べの際に被疑者が弁護人に立ち会ってもらうことができる権利です。取調べ室に弁護人が立ち会うことで、自白の強要や誘導をするような不当な取調べを抑止し、被疑者が虚偽の自白をするリスクを低減させることができます。
KONANプレミア・プロジェクト「えん罪事件の研究を通じた法教育の実践」(甲南大学)の活動のいっかんとして、甲南大学では、83名の学生が、「えん罪救済学生ボランティア」として活動しています。
学生ボランティアは、無実であるのに犯罪者として疑われてしまった人々を支援する活動をしている「えん罪救済センター」のお手伝いをしています。「えん罪救済センター」は、弁護士や大学教授等の先生方で構成されており、えん罪事件の解決へ向けて日々活動をしています。
学生ボランティアは、勉強会、審査会、広報会の3つの活動をしています。 勉強会では、えん罪事件を一つ選び、判決文を読んだり論文を読んだりして理解を深めていく活動を実施しています。審査会では、えん罪救済センターが取り組んでいる事件の解決へ向けて、論文の調査等、お手伝いをしています。広報会では、えん罪救済センターの活動をより多くの人に知ってもらうため、Webページの改善やYouTubeにあげる動画を作成しています。
本シンポジウムは、2021年度の勉強会の活動の成果のひとつです。